2012年3月10日土曜日

Mar.10 (Sat) .2012

◆ 日経拾い読み


  • 封印された「炉心溶融」 事故翌日に言及、担当者交代・・・福島第1原発事故 対策本部議事概要
政府が9日に公表した原子力災害対策本部の議事概要で、昨年3月11日の東日本大震災直後から東京電力福島第1原子力発電所事故での炉心溶融(メルトダウン)の可能性を想定していたことが明らかになった。菅直人首相らは早い段階で、最悪の原発事故にもなりうるとの危機感を共有していたが、こうした認識は対外的には公表されていなかった。事故に関する一連の記者会見では炉心溶融という表現を避けており、国民への情報発信の姿勢が改めて問われることになりそうだ。(肩書は当時)
未曾有の天災に見舞われたということで、初動に多少の混乱があったことは責められないとは思うが、原発事故への対応や議事録未作成などといったものは不手際を責められてしかるべきだ。原発事故への説明についてはその内容によっては国民にパニックをもたらすリスクがあり、表現には細心の注意が必要だったとは思うが、だからといって事実を隠蔽していいということではない。おそらくは当時官房長官だった枝野氏が「絶対大丈夫」と言い切ってしまったので、後々判明してきた事実を公表したくともできないジレンマに陥ったのではないかとも思える。

原発事故での拡散放射能の影響は今後数年以上経たないと発現しないが、当時の政府の事なかれ主義的な発表に事態を軽視して結果発病するようなことがあれば、当時の政府対応の問題が再度論じられることだろう。議事録を作成していないことについても、明らかに後からの責任追及を回避したい表れとしか思えず、今後の国家危機の際の対応検討に活かせないことにもつながり、ただ謝罪すればよいという問題ではないと感じる。


  • 大王製紙、来春入社の新卒採用中止
大王製紙が2013年4月入社の新卒採用を中止したことがわかった。新卒採用の募集に関し説明会を実施済みだったが、応募した学生に採用を見合わせると通知した。採用を取りやめた理由は「社内事情のため答えられない」(広報担当)としている。昨秋発覚した前会長の巨額借り入れ問題に絡み収益が悪化しており、人件費削減も狙いとみられる。
お家騒動もいい加減に決着させないと、自社内だけの影響にとどまらず社会的なダメージや株主・金融機関からの突き上げをくらうだろう。巨額粉飾が発覚したオリンパスとは問題が異なるが、どちらも企業経営が不透明で密室談合政治をしているような印象を拭えないので、そういった点を改善する方向性を見せないと信頼回復は難しいだろう。

2012年3月9日金曜日

Mar.09 (Fri) .2012

◆ 日経拾い読み


  • 予算案が衆院を通過 消費増税巡る攻防本格化
一般会計総額90兆3339億円の2012年度予算案が8日の衆院本会議で、与党などの賛成多数で可決、参院に送付された。予算案は参院の議決がなくても憲法の衆院優越規定により4月6日に自然成立する。来年度予算案の成立が確実になったことで、消費増税関連法案をめぐる与野党内の攻防が本格化する。
復興関連予算を加えると96兆円規模で過去最大。今の予算は赤字国債の発行なしでは執行できないので、赤字国債発行法案が承認されないと予算が成立しないが、現時点で赤字国債発行法案の可決見通しは立っていない。特に今回政府は震災絡みで復興債を起債しようとしているが、そこに赤字国債分を付け回ししようとして野党から追求を受けている。赤字国債発行法案には消費増税法案が含まれるから今後消費増税を巡って政局化する可能性が高いが、首相が伝家の宝刀を抜いて衆院解散するまではいかない気がする。
どのみちここで衆院解散されたところで、国民は投票先を選びようがないだろう。


  • タブレット端末、1億台時代へ 新iPad 16日発売・・・企業・学校・家庭に浸透 広がる用途、パソコン猛追
米アップルが16日に日米など10カ国・地域で第3世代となるタブレット(多機能携帯端末)「iPad(アイパッド)」の新機種を発売する。高精細ディスプレーと動画処理能力の高い半導体を搭載。高速携帯電話の通信網に対応する。タブレットは2012年に世界出荷が1億台を超えるとみられ、インターネット端末としてパソコン、高機能携帯電話(スマートフォン=スマホ)に次ぐ地位を確立しつつある。
パソコンは以前はネットやソフトウェアを操作するのに必須とされており、その習得も結構大変だったが、タッチパネルで簡単に操作できるスマホやタブレットは敷居が低いので、子どもや高齢者などが初めて触るのにはとっつきやすく、今後もさらに伸びていくだろう。一方でパソコンは既に一定の役割を終えた感があり、タブレットなどでは物足りなくなった層や業務用などでの使用用途に狭まっていき、市場自体は収縮していくと思われる。


  • 全日空、格安台頭でも接客で勝負 社内コンテスト開催
全日本空輸は8日、国内空港で働く接客業務担当者の社内コンテストを開催した。予選を勝ち抜いたスタッフが笑顔で接客スキルを披露、今後の全社的なサービス向上に役立てる狙いだ。最近は格安航空会社(LCC)の台頭が目立つが、全日空は「フルサービスキャリア」としての品質向上につなげる。
LCCを立ちあげている全日空自身が子会社と張り合ってもしょうがないような気がするが、得てして価格やサービスでの競争を横において接客を前面に出してくる企業はどこも衰退している。商品を買う場合の最大要因は価格だから、全日空本体においてもコスト競争力を高める努力が求められるだろう。

2012年3月8日木曜日

Mar.08 (Thu) .2012

◆ 日経拾い読み


  • 首相、消費増税法案の修正に含み・・・低所得者対策など想定
野田佳彦首相は7日、内閣記者会とのインタビューで、今国会最大の焦点である消費増税関連法案について「期限を守りたい」と述べ、今月中の国会提出を明言した。法案提出後も野党に協議を呼びかける考えも表明した。「議論していけばお互い納得できる合意形成の素地はある」と法案修正に含みを残した。
経済弾力条項を追加することで、なんとか法案自体を成立させたい首相だが、低所得者対策追加や景気悪化の場合に増税を停止するなどといった施策では仮に法案が通って増税しても経済は悪化するだけだろう。緊縮財政(といっても緊縮できていないが)と増税をセットでやるバカはいないと思っていたが、今の政府は本当にやろうとしているのでたちが悪い。


  • パートの社会保険適用拡大、政府最終案に民主内から異論 政調会長「20万人より多く」
民主党内で7日、政府が検討しているパート労働者への社会保険(厚生年金・企業健保)の適用拡大について意見が相次いだ。民主党の前原誠司政調会長は適用拡大に理解を示したが、企業の負担増を懸念する党経済産業部門会議の議員からは、法案提出の先送りを要求する声が上がった。
これも愚策だが、低所得者と企業から年金財源を巻き上げようとするのは一人当たりの徴収額も支給額も低くなるから一人当たり事務コストが上がって非効率になるばかりだ。そして企業は負担増になったコストを価格やサービスに転嫁するから景気悪化要因にもなる。国会議員自らの議員年金や公務員の共済年金など厚生年金や国民年金よりもはるかに厚遇された年金や保険組合からの条件取り崩しをさせたほうが手間もかからないし国民全体の不公平感も中和できる。


  • 関係先捜索の「2ちゃんねる」 運営権海外に、責任者は不明
インターネットの総合掲示板「2ちゃんねる」の関連先とみられる企業に警視庁が家宅捜索に入っていたことが7日、明らかになった。匿名・登録無用で利用できる「2ちゃんねる」はその手軽さから根強い人気を保っているが、運営権は海外企業に譲渡されており、管理責任の所在が不明確になっている。
報道するからには摘発されないと、2ちゃんねるが有効なツールと認識されて新たな情報源提供者が増えるだけのような気がする。

2012年3月7日水曜日

Mar.07 (Wed) .2012

◆ 日経拾い読み


  • 公務員、遠い抜本改革・・・採用削減、09年度比4割超 政府、消費増税対策を先行
政府は6日の行政改革実行本部(本部長・野田佳彦首相)で、2013年度の国家公務員の新規採用を09年度比で4割超削減する方針を決めた。国家公務員の給与を12年度から2年間、平均7.8%引き下げる特例措置に続き「消費増税対策」の色彩が濃い。民主党が掲げた公務員制度の抜本改革も遠のいている。

公務員改革と一言でいっても、公務員制度や公務員への支出内容のどこに問題があるのかをはっきりさせて、そこに手を打たないと具体的な効果は得られずトカゲの尻尾きりに終わる。採用削減にしても同様で、もともと自公政権時に8000人程度だった新卒採用数を2000~3000人減らしたところで一つの効果にはあげられるかもしれないが、中長期的に見れば年齢別の人員バランスがくずれて組織の弱体化を生みやすい。

本当にメスを入れるべきなのは地方公務員や独立行政法人、特殊法人、認可法人、特別民間法人、外郭団体などの天下り先への人員や税の投入であろう。国家公務員は56万人程度に対して地方公務員は230万人強。ここに27兆円の人件費がかかっているが、ここまでが一般的に公務員数や公務員人件費で取り上げられる数字なのだが、問題はここに出てこないそれ以外の準公務員への支出である。

企業においてもリストラの一環で人件費の削減をする際に、目眩ましをするやり方として外部委託を増やしたり子会社への出向などで企業本体の人件費を「見た目上」下げる手法があるが、これと同様に、公務員も正規公務員から準公務員へと転出させて見た目上の公務員数や公務員人件費を下げているような見せ方をしている。そして準公務員数の実態は公になっていないので実際には何人いていくら給与を支払っているかが掴みづらくなっている。公務員といっても実際には事業収入で人件費を賄っているNTTや日本たばこ産業などもあるが、そういった事業会社を除いても公務員数の300万人弱を上回る数の準公務員が存在するといわれているので、明らかに公務員への支払人件費は50兆円を超えていると思われ、これだけで税収を超えている。民間企業でいえば、売上から原価を引いた粗利益よりも人件費が上回っている状態で、普通なら倒産している。

だから政府は早期に抜本的な公務員改革法案を成立させなければならないのだが、そのやり方としては天下りを禁止するといった対症療法的な政策ではなく、公務員サービスの中身と役割の見直しや、中央と地方の二重行政の廃止、地方においては広域行政サービスへの統合により単一自治体でのサービスを廃止するなど、トータルの公務員サービスに係る全体経費への改革が求められているのだ。


  • 東西の電気周波数、統一ならコスト10兆円
経済産業省は6日、東西日本で異なる電気の周波数を統一した場合、電力会社の設備交換だけで約10兆円のコストがかかるとの試算をまとめた。東日本の50ヘルツを60ヘルツに統一する場合を想定し、発電機などの交換費用を算出。工場のモーターなど需要家側も対応投資が必要なことも指摘した。
めんどくさいからやりたがらない官僚の言い訳のような報告が出ているが、長期的にみれば10兆円かかっても大したコストではなく、ここで出ていない周波数統合によって得られる経済メリットを加えれば回収可能なものに思われる。電気製品を作っている企業にしても周波数が統一されれば部品の単価は下げられるし、機器の切り替えによる新たな需要も生まれるから補助金の投入は必要になるにせよ、道路や新幹線を今さら整備するよりもはるかにメリットの大きな公共事業になる。


  • アサヒのビール風味飲料「ドライゼロ」 飲食店、年内20万店に 
アサヒグループホールディングス傘下のアサヒビールは2月下旬に売り出したアルコール分0%のビール風味飲料「ドライゼロ」を取り扱う飲食店を現在の約3万店から年内に20万店まで増やす。小路明善社長が明らかにした。成長が続くノンアルコールビール市場で競合他社より出遅れていたが、家庭向けの商品と並行して業務用市場を開拓して巻き返す。
飲酒運転事故などが社会問題化したり、酒税の引き上げなどで低アルコール=低価格化へ需要がシフトしているのでノンアルコール飲料が伸びていくのは当たり前だが、一方で酒税の低いこういった飲料構成比が伸びればまた酒税収入は減っていく。たばこも大幅値上げで喫煙者減少に拍車がかかり、たばこ税収入も減少しているが、過去は税収の半分を占めていた時期もあった酒税が、いまでは年間1兆円台で構成比もヒトケタに落ち込んでいる。そういう意味では税制そのものも見直しが必要になってきているわけで、伸びている業界に掛ける税金としては「パケット通信税」とかが誕生するのかもしれない。

2012年3月6日火曜日

Mar.06 (Tue) .2012

◆ 日経拾い読み


  • 議員給与、年300万円削減 民主、期間は野党と調整
民主党は5日の役員会で、国会議員の給与にあたる歳費について、1人当たり年額300万円を削減する方針を確認した。ボーナス2回を含めて国会議員1人が年間に受け取る歳費約2100万円の14%に相当する。近く野党に提案する。削減期間は「当面1年」としているが、野党と調整する。消費増税関連法案の月内提出に向けた環境整備の一環。

14%と聞けばかなりの削減に見えるが、国会議員の給与は歳費以外にもいろいろある。

1)月額給与         1301000円(年間 15,612,000円)
2)ボーナス          6354480円(年間  6,354,480円)
3)文書通信交通滞在費   100万円(年間 12,000,000円) ※非課税

小計                    年間 33,966,480円

今回は1)と2)の合計に対して14%削減といっているので、3)を加えると実質10%弱だ。

さらに国会議員にはこれ以外にももらっている。
4)公設秘書給与(3名まで)      年間 27,000,000円 ※平均

そして、公設秘書は国家公務員扱いなのだが、今回の国家公務員給与引き下げ法案での7.8%削減の「対象外」となっている。

まだまだある。これは国会議員本人に入るわけではないが、政党に対して国会議員の数などの割合に応じて政党助成金が交付されている。

5)政党交付金 国民一人当たり250円 = 319億円
これを国会議員数で割ると 319億円÷722人≒44,000,000円

1)から5)の合計 = 1億496万6480円

つまり、国会議員一人にはこれだけのコストがかかっている。これ以外にも議員特権でJR全線が無料、航空機が月4回まで無料など、目に見えないコストも含めるとさらにかかっているが、これらはすべて税金から賄われている。歳費の削減のみならず、議員定数の削減も含めて「身を切る」姿勢を見せないと、国家公務員も納得はしないだろう。


  • プーチン氏と電話協議 首相、北方領土に言及 ・・・「2人で英知ある解決を」
野田佳彦首相は5日、ロシア大統領選で当選したプーチン首相と電話で協議し「北方領土問題について、プーチン首相との間で英知ある解決に取り組みたい」と述べた。領土問題の解決に意欲を示すプーチン氏の指導力に期待するが、4島返還を求める日本と、ロシアの隔たりは大きい。

プーチン氏は過去のソ連、ロシア指導者のなかでは比較的親日にみえるが、北方領土問題の解決においても幾度か発言していることからも、解決機運が高まっている。
北方領土は歯舞、色丹、国後、択捉の4島を指すが、もともとは1855年に日露で日本領としていたものを、第二次世界大戦後にソ連(ロシア)に実効支配され、現状も続いている。
外交上では1956年の日ソ共同宣言で歯舞・色丹を日本に引き渡す話になっていたが、1960年に日本が日米安保条約を改定したことにソ連が反発し、膠着状態が続いている。

北方領土の返還パターンについては、

1) 4島返還
2) 3島 (歯舞・色丹・国後)+択捉島の一部を返還 ・・・面積2等分案
3) 3島(歯舞・色丹・国後)返還
4) 2島(歯舞・色丹)返還

があり、日本が外交的に主張しているのは1)で、ロシアが外交的に認めているのは4)である。
そこで、国内では先に双方の利害が一致する4)を実施し、その後残りの2島の返還交渉を行なっていく案も出ており、決着させるにしてもどの案でいくのか非常に悩ましい。
ロシアが北方領土を返還しない、特に国後・択捉島を返還しない最大の理由は軍事的なもので、オホーツク海から外界へ出る航路の最大のものが国後・択捉島の間にある国後水道だからだ。
日本が軍事的にはアメリカに支配されているため、ロシアとしては国防上ここの制海権に影響を与える4島返還にはまず応じないだろう。北方領土問題を多少なりとも進めるにはまず4)を実行するかどうかにかかっている。あまり先送りすると北方領土に住んでいた人たちもいなくなってしまい、問題が風化する可能性もある。

  • ネット規制対立激化 ・・・新興国、「管理」狙い攻勢 先進国、自由確保へ防戦
インターネット情報の規制を巡り、新興国と先進国の対立が激化している。中国やロシアなどは国家による規制と管理強化を狙い、国際的な枠組み構築を狙う。中東の民主化運動「アラブの春」の波及を恐れる途上国は中ロに同調する構えを見せており、ネット上で情報の自由なやり取りを続けたい先進国は防戦一方だ。

対立の構図は日米欧が自由化、中国・ロシアは国家規制派、新興国や途上国は規制派に同調といった感じになっている。もともとインターネット技術はアメリカの軍事技術から派生しているため、IPアドレスを発行する国際非営利団体も実質的にはアメリカ商務省が握っており、アメリカのインターネット支配に対して中国・ロシアが反発しているのが実態だ。最近のアラブ諸国での解放運動などもツイッターやフェイスブックなどネットでのやり取りで民衆が蜂起したことから、権力者側はネットの完全自由化には否定的になっているが、国ごとの規制ができてしまうとインターネット本来の良さも失われるし、特にネットビジネスをしているIT企業ではグローバル展開に支障をきたすだろう。ただネット犯罪への各国での法統制はバラバラで足並みが揃っていないことも問題としてあるので、何がしかのガイドラインの作成は必要だと思われる。

  • 小沢元代表、大阪入り 橋下氏と接触図る?
民主党の小沢一郎元代表=似顔=が4、5両日に大阪市に入った。野田佳彦首相と自民党の谷垣禎一総裁による極秘会談を受けて浮上した与野党第1党のトップ同士で衆院解散の時期を決める「話し合い解散」に警戒を強めており、次期衆院選をにらんで「橋下徹大阪市長に接触を図ったのではないか」との見方が出ている。

仮に小沢氏が橋下氏と会っていたとすると、政府が消費増税法案を強行して自民党と組んで採決し、衆院解散しようとしたときに小沢グループが造反するぞ、という牽制なのだろう。野田首相も谷垣総裁と会うよりも小沢氏と会って話をすべきなのだが、どういうわけなのか自らは動こうとしない。そこに民主党内の暗部があるのだろう。

2012年3月5日月曜日

Mar.05 (Mon) .2012

◆ 日経拾い読み


  • 政権戦略、混迷の自民 ・・・話し合い解散・大連立・対決… 中堅・若手からは総裁交代論 
自民党内で野田佳彦首相と谷垣禎一総裁の極秘会談を機に政権獲得戦略の対立が浮かび上がってきた。執行部は衆院解散時期を約束させる代わりに消費増税関連法案に協力する「話し合い解散」を探る。対決を訴える中堅・若手は反発し、谷垣氏の交代論に触れる。民主党との大連立論も再燃しており、党内は混迷を深めている。
谷垣氏では衆院選が戦えないといった中堅・若手議員からの突き上げ、そして前回落選し復活を目指して活動する元議員などからの反発が強まっている。自民党は長く政権与党にいて、本格的に野党に下ったのははじめてだからかもしれないが、民主党への追求にしても「われわれも以前与党だったので大変なのはわかります」のような配慮をした発言が多く、そこが民主党議員の甘えを生んでいる。一部には野党議員らしく厳しく追求できる自民党議員もいるが、多くはこれまで自民党に属していなかった新しい議員に多く、古参の議員は委員会質疑にもほとんど出てこようとしない。 とはいえ、中堅・若手議員においても谷垣総裁に代わるだけの人材は出てきているのかというと、おそらくは石破議員や石原幹事長あたりを担ぐのが関の山だろう。

大阪の橋下市長は国会議員に対しても言いたい放題で、国会がちゃんと仕事していないから維新の会から国会議員を出すとまで言われている。それに奮起して維新の会以上に精力的に国家の問題を取り上げ、問題提起し、解決の方向性を打ち出そうとする政策集団や政治家は生まれてこないものなのか。
未だに石原新党だとか、小沢グループだとか、これまでの有力政治家の名前で政治が動いているわけだが、この現状を打破する勢力を誰かが作らないと道は開けないだろう。橋下氏は確かに行動力もあるし弁舌も明快で仮に国政に出たとしてもそれなりの活躍はするとは思うが、彼よりももっと質の高い政治を志していてその能力も合わせ持った政治家は国会にもたくさんいるような気がする。

2012年3月3日土曜日

Mar. 03 (Sat) .2012

◆ 日経拾い読み


  • AIJ運用委託、社保庁人脈で広がる・・・OBの勧誘きっかけ 複数の年金基金にも天下りOB
AIJ投資顧問による年金消失問題をめぐって、旧社会保険庁(現日本年金機構)のOB(74)がAIJの販路拡大に深くかかわっていたことが2日、判明した。このOBが経営するコンサルティング会社が投資顧問会社のAIJとコンサル契約を締結。運用経験の乏しい社保庁出身者が天下りした先の厚生年金基金に、AIJへの運用委託を勧めた。社保庁出身者のネットワークで高い利回りをうたったAIJの事業が急拡大していった構図だ。
案の定というか、天下りOBが関与していた。まあ、社保庁の問題が大きくなるのは歳入庁の立ち上げを目論む陣営としては追い風だから、マスコミも社保庁叩きに走る可能性は高い。


  • 話し合い解散、信頼の壁 ・・・首相、増税法案賛成の保証を 谷垣氏、首相の確約と引き換えに
野田佳彦首相と自民党の谷垣禎一総裁による極秘会談を契機として、与野党第1党のトップ同士で衆院解散の時期を決める「話し合い解散」に与野党内で関心が強まってきた。消費増税実現へ自民党の協力を得たい首相と、早期解散を優先する谷垣氏の思惑が一致するからだ。2人の信頼関係が成否のカギを握るが、ともに相手の要求を実現する「保証」を与えられていない。
民主、自民の大連立も画策していると報じられているが、これは石原新党、みんなの党と大阪維新の会など第三極への牽制の意味もあるだろう。しかしながら、現状の政府の国家運営では日本は良くならないと訴えられれば、民主・自民とともに国民からは十把一絡げで見られる可能性があるので、次期衆院選をにらんでどういう方針を打ち出すのかを明確にしないと、維新の会がマニフェストを正式に掲げてからでは後付けの対策という批判を受けるだけだろう。


  • 復興交付金1次配分決まる 申請の6割に、自治体不満 宮城知事「査定庁」語気荒らげ 復興相「無駄なもの作らない」
復興庁が2日に決めた復興交付金の初回配分が被災地に波紋を広げている。市町村の申請額に対して交付額は6割にとどまり、自治体から不満が出ている。平野達男復興相は「無駄なものは作らない」と強調しており、国と被災自治体との間で認識に溝ができてきた。
もともと想定されていたことだが、復興庁と自治体がバトルしている。どこも自分のところの復興策を100%通したいところだが、それが通らないと首長自身の政治力の無さを疑われるので、今後も軋轢を生み続けるのは間違いない。復興庁にしても、検討事案を公表して予算の可否やその理由を明示するなどして審査過程を透明化するといった工夫をしないと、たんなるお役所仕事として批判を甘んじて受けるよりほかない。


  • 年金、集中投資を制限 政府・民主検討・・・総資産の3割軸に AIJ問題、再発防ぐ 
AIJ投資顧問による年金消失問題をふまえ、政府・民主党は2日、厚生年金基金の運用規制を見直す方向で検討に入った。運用委託先が特定の投資顧問会社に集中するのを防いで分散投資を促す。1社に運用委託する割合に上限を設け、総資産の3割以上の集中投資を禁止する案を軸に調整する。年金運用のリスク管理を強化し、再発防止につなげる。
運用を見直すのはいいが、こういう問題を引き起こす可能性が高いのは中小企業の年金運用に問題が生じているからであり、そこに対して国の支援をセットでしていかないと、単なる年金の運用先を減らすだけでさらに中小年金が苦しむハメになる。


  • 東京地検、組織的と判断 オリンパス粉飾・・・法人も起訴へ 
オリンパスの粉飾決算事件で、東京地検特捜部は2日までに、法人としての同社を金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の罪で起訴する方針を固めたもようだ。同社前社長、菊川剛容疑者(71)ら当時の経営陣が主導した巨額の粉飾が組織的行為だったと判断した形。菊川前社長や、不正経理を指南したとされる証券会社OBらが勾留期限を迎える7日に、併せて刑事処分するとみられる。
こういった粉飾が起きた際に、「取締役会や監査法人は機能していないのか?」という議論が常に沸き起こるが、そもそも有価証券報告書の作成には多くの企業では財務・経理部門と経営企画部門、そして社長など取締役のなかでもトップと財務経理担当役員で内容のやり取りをすることが多く、少数で決算の方針が決まってそれが取締役会に提出されるから、他の取締役の牽制が働きにくい。それは財務や経理、会計といった知識を多くの取締役が持ちあわせていないことも理由にあるが、このへんの根本的な企業経営上の問題点をどうにかしないとどのような規制を加えようが、大きくは変わらないだろう。

2012年3月2日金曜日

Mar.02 (Fri) .2012

◆ 日経拾い読み


  • 首相、谷垣氏と先月極秘会談 反増税の小沢系けん制 ・・・「話し合い解散」動揺誘う
野田佳彦首相と自民党の谷垣禎一総裁が2月25日に極秘会談していたことが明るみに出た。首相は命運をかける消費増税関連法案の今国会成立を期し、局面打開を探った。自民党との「話し合い解散」をにおわせ、小沢一郎元代表ら民主党内の消費増税反対派をけん制する。関連法案の国会提出を予定する月末に向けた駆け引きは激しさを増してきた。
当人たちは会談を否定しているが、ここまでマスコミに書かれるのなら事実なのだろう。首相としては、党内の小沢グループに消費増税法案を賛同をもらわずとも自民党と手を組んで通せるのなら都合がいいわけで、民主党内で一致して通すか、自民と手を組んで通すかといった選択肢を増やせるメリットがあるが、自民党にとって増税法案に賛成して解散総選挙に持ち込むということへのメリットが何なのかよくわからない。選挙戦になれば、他党からは「民主党と結託して国民負担を増やそうとした」と言われるのは明白で、自民議員にとっては民主党との差別化がより図りにくくなるわけで、谷垣総裁の党内への説明が求められるだろう。

そもそも極秘会談というのは、漏れないことが前提で行われるべきで、後々説明が必要になる行動ならば最初から表立って会えばいいわけだし、こういった形でリークするメリットがあるのは民主党だから、谷垣総裁は今回のように表沙汰になることは想定せずに会ったフシもある。

2012年3月1日木曜日

Mar.01 (Thu) .2012

◆ 日経拾い読み


  • 北朝鮮、ウラン濃縮停止・・・米朝合意、核・ミサイル実験凍結 IAEA監視受け入れ
米国務省は29日、北朝鮮がウラン濃縮活動の停止を含む核関連活動の凍結で合意したと発表した。ウラン濃縮の停止の検証と監視のため国際原子力機関(IAEA)の査察官の復帰も受け入れるとしている。米側は北朝鮮が求めてきた食糧支援の実施に向けた最終調整に入る。北朝鮮側も同様の発表をしたが、細部の解釈や認識には違いもみられる。
内容としては、北朝鮮の核活動の「臨時中止」とアメリカからの食糧支援の「予定」が双方から発表されたということで、半歩は進んだのだろうがまだ先行きがどうなるかはわからない。まずはお互いジャブを出しあって様子を見たくらいのレベルだろう。


  • 首相・谷垣氏が極秘会談の情報・・・25日昼、両氏は否定
野田佳彦首相と自民党の谷垣禎一総裁が先週末の25日昼に会談していたとの情報が29日、与野党内で流れた。同日の政府・民主三役会議に出席した党幹部によると、藤村修官房長官は「外(向け)には会っていないということだ」と説明した。
この日は党首討論で互いに議論していたが、本当に当人同士が会っていたのなら谷垣氏としては非常にまずい立場に追い込まれるだろう。野田総理も消費税増税法案についての協力を谷垣氏に要請していたとすると、与党内で反対している小沢氏グループや国民新党などから突き上げをくらう。


  • 格安航空ピーチ、バス並み運賃で挑む・・・きょう就航、日本定着への試金石に
全日本空輸などが出資する格安航空会社(LCC)ピーチ・アビエーションが1日、関西国際空港と札幌、福岡を結ぶ路線に就航する。日本勢初の本格的なLCCとなる同社を手始めに日本航空と全日空がそれぞれ出資する他の2社も今夏に就航する。潜在需要を掘り起こす一方、従来型の航空会社との競合が予想され、航空運賃の下落圧力になる可能性もある。
日航や全日空にとっては、LCC業界でも主導権を握りたいのだろうが、うまくいくようなら本体の経営モデルの見直しを迫られかねず、うまくいかなければ本体への経営ダメージを食らうので、どっちに転んでもあまりおいしくはない気がする。ただ、格安航空会社はコストを削減して航空運賃を安く提供することを標榜しているが、飛行機にお客を乗せて空を飛ぶこと自体は一般の航空会社とさほど変わるわけではないので、安全確保のためのコストをどう維持するかをきちんとアピールしないと怖くて乗れない人が多いと思う。

2012年2月29日水曜日

FEB.29 (Wed) .2012

◆ 日経拾い読み


  • 民主執行部、消費増税へ「踏み絵」・・・新人議員面談スタート 活動費に成果主義、反対派は反発
民主党は消費増税を含む社会保障と税の一体改革の実現に向けて、100人以上いる当選1回の新人議員への個人面談を実施し、1人あたり300万円の「活動費」も支給する。次期衆院選への対策も兼ねており、地元での活動を評価したうえで活動費を増額する成果主義も視野に入れる。党内では野田佳彦首相が取り組む消費増税への造反の芽を摘む「踏み絵」と受け取る向きも多い。

民主党執行部はやたら党議拘束したがるが、こういった足元を見て金や票をエサに魚(今回は増税案)を釣る姿勢が国民から嫌われていることにまだ気づいてないらしい。岡田氏あたりが好きそうなやり方だ。


  • 少子化相「年金交付国債取り下げ」・・・予算委紛糾、発言撤回し陳謝
    中川正春少子化担当相=写真=が28日、2012年度に基礎年金の国庫負担割合を50%に維持する財源として、将来の消費増税による税収を充てるために発行する予定の「年金交付国債」の取り下げに言及し、のちに撤回した。衆院予算委員会では野党が閣内不一致として追及し、閣僚が釈明に追われた。藤村修官房長官は少子化相を注意した。

    これは閣内でも消費増税法案が成立するわけない(または内心では反対)という思いをポロッと出しちゃったということだ。


    • 前原氏、産経記者締め出し解除・・・「報道の自由制限するつもりない」
    民主党の前原誠司政調会長は28日、記者会見から産経新聞記者を排除した問題で、同日の会見から出席を認める方針に転換した。会見で産経新聞記者が「なぜ排除したのか」と聞いたところ、前原氏は「事実に基づかないことを書かれた。文書での回答がなかったから断った」と反論。しかし「取材の自由、報道の自由を制限するつもりはない」と釈明した。

    政治家は上司がいないので、直接誰かに仕事ぶりを評価されるわけではなく、それは選挙の際に有権者から信認や期待を得て当選することで評価が具体化される。ただ有権者は直接政治家を見る機会は少ないので、マスコミの報道等を通じて情報を知ることが多い。そういう意味で政治家がマスコミとどう付き合うか、ひいてはマスコミのレベルが政治家のレベルを表すともいえるが、そういう視点からは前原氏のとった姿勢は疑問符がつくし、今回の件は確実にイメージダウンにつながるだろう。ただマスコミ(政治部記者)のレベルが低いのも確かなので、政治家はそういうところをマスコミに突っ込んでいくべきだが。


    • 成長戦略、具体化が急務・・・パナソニック社長交代 巨額投資重荷に 創業家除き最年少
      パナソニックの新社長に創業家出身者を除き同社最年少の55歳で津賀一宏専務が就任する。6年続いた中村邦夫会長・大坪文雄社長体制では、社名変更やグループ再編など大がかりな改革に取り組む一方、数千億円を投じたテレビ事業で巨額の損失を計上。三洋電機の買収も成長見通しに狂いが生じるなど、つまずきもあった。

      かつてパナソニック、以前は松下電器産業だったが、ソニーの真似ばかりするので「マネシタ」と呼ばれていた。ソニーが独創的な商品を発売すると、それを研究してさらにローコストにして大衆向けに大量販売することで業績を伸ばしてきたことを揶揄していた意味もある。今回ソニーがテレビ事業の責任者を次期社長に据えたが、それを見てマネシタんじゃないことを望む。


      • エルピーダ、再建曲折も・・・坂本社長「更生計画案、6週間で」 マイクロンとの交渉継続
      会社更生法の適用を申請したエルピーダメモリの坂本幸雄社長は28日、経営再建の具体策を盛り込む更生計画案について「今後6週間でまとめる」考えを明らかにした。日本航空やウィルコムの場合、更生法申請から計画案提出まで7~8カ月を要した。坂本社長はスポンサー企業を4月半ばまでに決め、スピード再建を目指す意向だ。ただ主取引銀行の間には事前調整なく更生法を申請した坂本社長への反発が出ており、再建は曲折も予想される。

      マイクロンはつい最近、CEOが突然事故死して急遽交代した。エルピーダの坂本社長はマイクロンの前CEOと関係が良く、本来なら提携が決まっていたのだろうが不運にも頓挫してしまった。今回更生法を申請した以上、債権放棄等が発生するだろうから提携候補からはかなり買い叩かれることになるだろうが、数千人の雇用を抱えているので早めの決着をして坂本社長自身は退任する考えなのだろう。


      • マクドナルド、店舗不動産を自社保有へ・・・200~300カ所 郊外の地価下落で
      日本マクドナルドホールディングスは店舗不動産の大量保有に乗り出す。現在は賃借が大半だが、数年かけて新店と既存店を合わせ200~300カ所の土地・建物を取得する。同社は業績は好調だが、米国本社など世界各国のマクドナルドに比べると日本の賃料負担が重いため、利益率は低い。地価が下落している郊外の店舗を自社物件に切り替えることでコスト削減を進める。

      飲食を含む小売業が不動産を取得すると一般的にはいずれ行き詰まる。賃貸と自社所有では、スクラップ・アンド・ビルドのスピード感が変わってしまうからだ。過去はダイエーが駅前立地の不動産を購入して出店し業績を拡大していったが、10年も経つと当初繁華街だったところも廃れてしまい、結果地価も下落して売上減少、自社所有不動産も価値下落という負の連鎖にハマって行き詰まった。ファーストフード店としては地代家賃が高くても通行客数の多い繁華街での小規模店舗で客数を高回転させるというのが一般的なビジネスモデルなのだが、マクドナルドが郊外大型店(客数が少なく滞在時間が長い)を増やしていった折に現在から顧客動向が変化した場合にどう迅速に対応していけるのかが非常に興味深い。

      2012年2月28日火曜日

      Feb.28 (Tue) .2012

      ◆ 日経拾い読み


      • エルピーダが更生法申請 負債4480億円、製造業最大・・・韓国勢に後れ市況も悪化 国策半導体は頓挫
      パソコンなどに使う半導体のDRAMで世界3位のエルピーダメモリは27日、会社更生法の適用を東京地裁に申請し、受理された。負債額は約4480億円(2011年3月末時点)で、製造業では過去最大。09年に公的資金300億円を使って政府も再建を支援したが、市況低迷や円高で業績が悪化。韓国メーカーとの競争力格差が広がる中、経済産業省や金融機関も再建は難しいと判断し支援を断念した。電機産業の苦境が一段と深まってきた。
      3月末に産活法が切れることから日本政策投資銀行への300億円の返済が発生するため、産活法の延長や取引銀行からのつなぎ融資を求めていたようだが、その条件としての提携先確保を含む経営再建策の提出を求められており、それが行き詰まった模様。昔はDRAM業界は日本企業がシェア7割を持つ国策産業だったが、今ではサムスンなど韓国勢に押されてエルピーダのシェアも15%に低下していた。政策投資銀行が出資していたことから今回の更生法適用で国民負担が280億円発生するらしいが、中途半端に国に関与されると身動きが取りづらいのかもしれない。この会社は経産省が後押ししていたが、少し前に経産省官僚がエルピーダの情報を使ってインサイダー取引をして捕まっている。直接的には関係無いだろうが、そういうところからもこの会社が辿る運命を暗示していたのかもしれない。


      • 沖縄振興・負担減前面に 首相・知事会談・・・「普天間」仕切り直しに時間 辺野古埋め立て申請は秋以降
       野田佳彦首相は27日、2日間にわたる初の沖縄訪問を終えた。仲井真弘多知事には米軍普天間基地(宜野湾市)の名護市辺野古移設が「唯一有効な方法」と説明。経済振興と基地負担軽減に全力を挙げる政権の姿勢を前面に打ち出した。辺野古埋め立ての許可申請は秋以降に先送りし、県外移設を要求する沖縄側との対話を続ける方針だ。
      首相は沖縄振興特措法改正案をエサに辺野古移設を進めたい考えだろうが、簡単にはいきそうにない。
      日本の歴史、沖縄の歴史、そして米国との関係が重くのしかかっている。沖縄の立地は地政学的に米国の軍事拠点として重要であり、日米同盟のなかで切り離すことのできないもので、そういうことを力説する政治家・評論家が多々いるが、それはあくまで米国から見た考え方であって、沖縄に基地があることや、その負担の見返りとして特別措置法で優遇するとかという姿は客観的に見て自然な形だとは思えない。日本の防衛戦略、米国との関係のあり方は踏まえたうえで、短期的・中期的ではなく長期的に沖縄が最終的にどういう形になることがあるべき姿なのかを(大っぴらにはできないだろうが)政府の重要な引き継ぎ案件として沖縄県とともに話し合っていく必要があると考える。


      • 維新塾、1次合格者2262人 みんなの党 多数応募 緊密連携、支持拡大狙う
      地域政党「大阪維新の会」(代表・橋下徹大阪市長)は27日、次期衆院選の候補者擁立を見据えて3月に開講する「維新政治塾」の第1次合格者を発表した。合格者にはみんなの党の関西地方の小選挙区支部長らも含まれる。
      既に国会議員を十数名出しているみんなの党議員が次回衆院選に300名程度出馬させようとしている大阪維新の会の政治塾に加わる。数の問題でみんなの党は吸収されるんじゃないかと思うが大丈夫だろうか。みんなの党が前回の衆院選で予想外に得票したのは、当時の自民党政権に嫌気がさしていたが政権交代を目論む民主党は信用できないといった層が消去法で投票して得たものが多い気がする。少数政党だけあってなかなか存在感を示しづらいこともあるんだろうが、今の維新の会の勢いからすると確実に飲み込まれるだろう。党首の渡辺氏からすると、それなりのポストにつければそれで良しとの考えかもしれないが。


      • AIJ、02年運用当初から損失 組織的に隠蔽か・・・監視委検査
      約2000億円の企業年金資産の大半が消失していた問題で、AIJ投資顧問が2002年の運用開始直後から損失を出していたことが証券取引等監視委員会の検査で分かった。運用の失敗を長期間にわたって隠していた格好で、組織ぐるみで隠蔽していた疑いも出ている。監視委はこうした実情を踏まえ、消失した金額の確定を急ぐ。
      業界は異なれど、投資損失を隠蔽してやりくりしてきた点はオリンパスと同じだ。バブル崩壊やリーマンショックといった大きな損失機会で資産を目減りさせている企業は他にも多々あるだろうから、AIJの件は決して個別案件ではないように感じる。そもそも所轄官庁が厚労省ということで財務省や金融庁との関係も良くはないんだろうから、当局の監視体制などもザルだった可能性も高い。

      2012年2月27日月曜日

      Feb.27 (Mon) .2012

      ◆ 日経拾い読み



      • AIJ契約、中小9割・・・厚労省、昨年度末調べ 80年金120件
      2000億円の企業年金資産の大半が消失していた問題で、AIJ投資顧問の2011年3月末の顧客構成がわかった。企業年金は80を超えており、同一の業種や地域の中小企業が集まる「総合型」の厚生年金基金が約9割を占めた。なかには年金資産の3割以上を投じた基金もあった。中小基金では年金の積み立て不足が拡大するとみられ、どう穴埋めするかが焦点になりそうだ。
      これから実態が明らかになるとは思うが、問題はこの損失をどうするか?ということだろう。AIJ自身は関与者が逮捕されるなどして事業は廃業する可能性が高いが、この損失穴埋めは委託していた企業に振りかかるのか、あるいは国からの公的資金で補助するのか?が議論されるかもしれないが、その場合はAIJだけでなく、投資顧問業界で同様の事例がないか検証する必要はある。
      同じ金融枠組みの銀行業界への経営支援については国は当たり前のように公的資金を注入してきたが、それ以外の業界に対しては対応が渋いのがいつも不思議に思うのだが、アメリカでもそういう政府の姿勢に反対してウォール街でデモが発生した。


      • 首相、就任後初の沖縄訪問・・・普天間問題「まずおわび」
      野田佳彦首相は26日、就任後初めて沖縄県を訪れた。首相は那覇市内で記者団に、27日に沖縄県庁で予定している仲井真弘多知事との会談で、米軍普天間基地移設問題について「これまでの経緯を踏まえ、まずおわびをしたい」と述べた。
      自民党の石原幹事長も批判していたが、就任後半年経って沖縄に初訪問するというのは遅すぎる。本当に沖縄問題を解決したいのなら、「自分がすべての責任を負って沖縄諸問題を解決すべく取り組む」と宣言して就任早々訪問するような首相が出てこない限り、沖縄県民の民意を懐柔するのは困難だと思われる。そもそもここまで事態を複雑にしたのは民主党政権なのだから、党をあげて政府が率先して解決に取り組む姿勢を示すだとか、事の発端を起こした鳩山元首相を処分するとか解決可能性はゼロでは無いだろうに、今ひとつ誠意を感じられない。今回の首相訪問においても挨拶程度に終わり、大きな収穫は得られないだろう。


      • 米企業、ドル安修正に懸念 収益鈍化見通し相次ぐ・・・海外販売、不透明感一段と
      海外販売の好調を支えてきたドル安基調の修正が進み、米企業の間に懸念がじわじわと広がってきた。化学大手デュポンや飲料大手コカ・コーラは2012年の収益がドル高で下押しされるとの見通しを開示。世界的な金融緩和で米国株は高値圏にあり、企業業績も増益を維持しているが、新興国などを中心に海外事業には減速の兆しがみえる。その中でドル安の修正は収益鈍化を助長し、今後の株式相場の重荷になっていく可能性もある。
      日本企業が円高で苦しんでいるように、アメリカの企業もドル高になると輸出関連企業が業績悪化する。そうなると米国の景気回復に水を差すだとか、大統領選を控えているからといって円高ドル安に振れるような動きを日本政府は容認してはならない。

      2012年2月26日日曜日

      Feb.26 (Sun) .2012

      ◆ 日経拾い読み



      • AIJ問題、信託・企業年金も調査・・・政府、ずさん運用洗い出し 資産内容・リスク管理を点検
      政府は約2000億円の企業年金資金の大半が消失していたAIJ投資顧問の問題を受け、実態調査に乗り出す。金融庁は、年金資産を運用する投資顧問に加えて、年金資産を管理する信託銀行の信託勘定で資産が確実に管理されているかの調査を週明けから本格化する。厚生労働省は、厚生年金基金など企業年金のリスク管理を調べる。AIJと同様な問題がないか点検すると同時に、再発防止につなげる狙いだ。
      AIJ問題が起きて慌てて厚労省が動いている模様だが、国の年金がああいう状況になってしまうわけなので、民間の年金の管理監督などができていなくてもおかしくない。今回のケースはAIJはタックスヘイブンであるケイマン諸島の企業を経由して資金の流れを不透明にしていたらしいので、年金を預っている信託銀行に運用資産の適性把握を義務付けるようにして年金資産の正当性を担保させるなどしないと抜け道は塞げないだろう。



      • 年金交付国債、焦点に・・・消費増税で償還、野党など抵抗 負担・給付問題浮上も
      2012年度予算案を巡る審議で基礎年金の国庫負担割合の50%維持を目的にした「年金交付国債」の発行が焦点になってきた。償還財源を将来の消費増税で賄うため野党や与党の増税反対派が抵抗しているからだ。交付国債の発行を可能にする国民年金法改正案は予算関連法案。成立しなければ、今後の保険料負担と年金給付の問題も浮かび上がる。
      現状、基礎年金財源の積立不足により国庫負担割合が36.5%に低下しているが、それを50%にするため、2.6兆円の国債を発行して穴埋めしようとしているのが年金交付国債だが、政府はその償還財源を消費税増税分から充てようとしているので、野党から反発されている。ただ、この国債発行を認めてしまうと、消費増税に賛成しないとおかしいという話にされるため、野党としても整合性を取るために賛成するわけにはいかないだろう。このシナリオを書いているのは官僚なのかもしれないが、あらゆる法案を震災復興と消費増税に結びつける考え方は、増税反対で一点突破されるとすべての関連法案がパーになり、あげくは政権転覆させるだけのインパクトを与えてしまう。実はそれを狙っているのかもしれないが、国会で無駄となる議論をさせることは貴重な時間と血税の壮大な無駄遣いでもある。



      • 東電料金抑制へ「脱・自前」 開放・提携を加速・・・「総合計画」原賠機構案、取締役の過半を社外から
      原子力損害賠償支援機構は東京電力の総合特別事業計画に盛る「新生東電」の骨格を固めた。電気料金の上昇を抑えるため、過剰な設備投資など高コスト体質の原因である「自前主義経営」からの転換を打ち出す。節電につながる新型電力計の国際入札手続きに2月末から着手し調達を開放。新規事業は他社との提携を基本とし、取締役も過半は外部から登用する。
      東電に限らず、全国の電力会社はこれまで公共性の高い電力供給事業をしているということで、保守的、官僚的な経営をしてきたが、今回の震災を契機に電力問題が起きたことで業界全体の古い閉鎖的な体質が次々と明らかになり、改善を迫られている。政府としては東電だけをどうこうするのではなく、この機会に電力行政の見直しや業界の開放性を高め、可能であれば東西の周波数統一など明治以来手を付けてこれなかった諸問題を解決するべきだろう。



      • グーグル指針、波紋広がる 個人情報を収集、横断的に利用
      米グーグルが3月1日から導入する新たな個人情報の収集や利用に関する指針が波紋を広げている。従来の指針を変更、利用者に関する情報を複数のサービスで横断的に利用できるようにするものだが、プライバシー侵害のリスクが高まるとの懸念が浮上。欧州連合(EU)が導入延期を要請したほか、日本の総務省も対応の検討を始めた。
      グーグルは検索技術を活用して、これまで別々に運用管理してきたユーザー情報を可能な限り統合して紐付け直し、個人情報の利用方法も変えるということだが、これはユーザーに利便性を向上させる反面、必要以上の個人情報を利用した広告表示や過剰サービスを提供するリスクも抱えている。利用している側からすると、「このサイトにはここまでの情報は知られてもよいが、それ以上は提供したくないし、関与されたくない」という一線を持っている。今回のグーグルの改定ではグーグル社内である一定のガイドラインが固まるまでは、一般ユーザーへの過度のサービス提供によってクレーム問題となり、それによってガイドラインを修正するやり方をとるだろうから、ユーザー側としても防衛意識を持って情報を扱うようにしないと、知らないうちに自分のプライベートな情報を他人に思った以上に知られていたということになりかねない。

      2012年2月25日土曜日

      Feb.25 (Sat) .2012

      ◆ 日経拾い読み



      • 「どなたでもお会いし、説得」 首相悩む「小沢対策」 融和論か強硬論か、政権安定効果計れず
      野田佳彦首相が消費増税に反対している民主党の小沢一郎元代表と必要に応じて会談する考えを表明した。消費増税関連法案の3月の国会提出に理解を得るためだが、発言力の確保を狙って駆け引きを仕掛け、2人だけの会談に持ち込むのは元代表の常とう手段でもある。首相周辺でも、内閣不信任決議案への同調をちらつかせる元代表への融和論と強硬論が割れている。
      客観的に見て不思議なのは、首相が消費増税に反対する党内勢力と積極的に話し合いをしているようには見えない点だ。国会でも党内が消費増税でまとまっておらず、党内での有力議員である小沢氏を説得するのかという点を野党から指摘されて上記の回答をしている。法案自体はすでに閣議決定して政府案として提出しているわけだが、一般常識で考えると重要な決定をするときは根回しや事前の相談などを各所にするのが普通で、党内でのキャスティングボートを握っていて明確に消費増税に反対を表明している小沢氏といまだに議論を交わしていないかの首相の発言は、この法案自体が成立する可能性が低いことを表しているような気がする。少し前にNHKの討論番組内で、税と社会保障の一体改革法案について与党である国民新党の政調会長が反対を明言するなど政府・与党内でも一枚岩とはなっておらず、野党を巻き込むどころか徐々に今国会内で成立しなくてもやむなしの風潮を醸成しつつある。



      • 年金なぜ消えた AIJ業務停止・・・必ず収益、運用はブラックボックス 働かぬチェック、モラル頼み裏目
      高収益で年金関係者の評判が高かったAIJ投資顧問(東京・中央)の年金運用の内実は、虚偽だった。企業の年金基金から預かった約2000億円の資金の大半は消失し、評価額は10分の1以下に減っているという。いったい何が起きたのか。ほかの年金で同じことが起きる心配はないのか。
      AIJの運用成績と厚生年金基金の修正総合利回りの比較グラフが載っていたが、厚生年金についてはリーマンショックの起きた2008年に大幅に運用成績が低下しているのに対し、AIJは大きなダメージを受けずに安定した成績を顧客企業に示していた(これが虚偽らしいが)。しかしながら、一般的にはリーマンショックであらゆる相場が下落し、金融機関や投資会社は軒並みダメージを受けている中で、この会社だけ無傷ということはおかしいと思わなかったのだろうか?

      また、各社から集めた年金基金がほぼすっからかんになっているというだが、資産状況を示す資料の正当性を担保していなかったのか、チェック側の体制不備も指摘されることだろう。
      現在、国会では公的年金の制度が破綻していることから改革案を議論しているが、年金制度の制度疲労については企業年金においても同様で、企業の従業員構成が高齢化していくにつれて年金原資の不足が起きており、積立不足を指摘される企業が増えてきている。そのような企業や企業組合などの年金運用においては、運用利回りを求めてAIJまでとはいかなくともリスク投資によって隠れ負債を抱えているところがないとは限らない。今後の捜査によってAIJ事件の内容が明らかになるとともに、同様の問題がないか他の年金への調査も進むことでわかってくるだろう。



      • 米朝、交渉継続を確認・・・ウラン濃縮停止 合意せず
      米国と北朝鮮は24日、北京で北朝鮮の核問題を巡る2日目の高官級交渉を開き、今後も直接交渉を続ける方針を確認した。米デービース北朝鮮担当特別代表は交渉後、記者団には具体的な成果を明らかにしなかった。ウラン濃縮活動の停止は合意できなかったようだ。米国に帰国後、政府内で交渉結果を話し合った上で今後の対応を決めるとした。
      • 正恩氏の外交、父を踏襲 カード小出し、多くの見返り要求
        金正日総書記の死去後初の米朝交渉では、金正恩(キム・ジョンウン)党中央軍事委副委員長が「核カードを小出しにして譲歩を最小限にとどめながら多くの見返りを要求する」という父の外交手法を踏襲した姿が浮き彫りになった。正恩氏が新たな支援獲得を見込める「核保有国」の立場を手放す可能性は低く、日米韓のめざす「核放棄」は手詰まりに陥っている。
        予想通り、金正恩氏の外交スタンスは父親を踏襲しているようだ。指導者が変わったくらいでこの国の方針が大きく変わるとは思えず、北朝鮮の核廃棄や民主化を狙うのであれば、国内での政変や国民の暴動・デモ、軍部の暴走などが起きて政情が不安定にならないと事態は動かないだろうが、北朝鮮の新体制としては国内問題を対外的に知られることは外交面でマイナスになるので、当面は現状維持、様子見が続くと思われる。

        2012年2月24日金曜日

        Feb.24 (Fri) .2012

        ◆ 日経拾い読み


        • 年金2000億円の大半消失 AIJ投資顧問 ・・・「高収益」と虚偽、100超す企業から受託 金融庁きょう業務停止命令
        国内独立系の投資顧問会社、AIJ投資顧問(東京・中央、浅川和彦社長)が企業年金から運用受託していた約2000億円の大部分が消失していることが23日、証券取引等監視委員会の検査でわかった。長期にわたって高い運用収益を上げているとの虚偽の情報を顧客に伝え、実態を隠していた疑いがあるとして、金融庁は24日、AIJに業務停止命令を出す。年金運用会社のずさんな実態が判明したことは、企業年金の運営に深刻な影響を与えそうだ。
        2000億近い損失を出す年金運用会社もそうないと思うが、投資での損失ならばデリバティブかなにかリスクの高い商品に投資していた可能性はある。顧客企業には虚偽報告をしていたらしいので、運用委託元としては見抜けなかったのだろうし、仮に焦げ付くようなら企業負担で補填せざるを得ないだろうから、踏んだり蹴ったりだ。ただ、委託する側としても運用資金が大きな場合は定期的な厳しいチェックが必要だったであろうし、この投資顧問がどこにどれだけ投資していたのかを把握していなかった可能性もあり、その場合は過失を問われても仕方がない。


        • 大王製紙、創業家側の近隣におむつ新工場 対立一段と
        大王製紙は静岡県富士宮市に紙おむつなどを生産する自前の工場を建設する方針を固め、用地を取得した。大王の現経営陣と対立する創業家は今月12日、紙おむつの生産関連会社、エリエールペーパーテック(栃木県さくら市)の臨時株主総会を開き、経営権を取得したばかり。
        案の定泥仕合になってきた。創業家が経営介入している構図だが、株主構成を見てみると創業家は子会社の株は押さえているが、大王製紙本体の株は経営者を変えるだけの持ち株比率が無い。だから子会社の動きを使って本体を揺さぶろうとしているのだろうが、このバトルは創業家の負けに終わる気がする。

        2012年2月23日木曜日

        Feb.23 (Thu) .2012

        ◆ 日経拾い読み


        • 超円高修正進む 1ドル80円台、一時7カ月ぶり水準 ・・・米景気に期待感、リスク回避緩む
        昨年夏からの歴史的な円高局面が修正されつつある。円相場は22日の外国為替市場で約7カ月ぶりに1ドル=80円38銭を付け、対ユーロでも106円台に下落した。米国経済の改善や日米欧の金融緩和で投資家のリスク回避が和らいだため。経常収支の黒字幅縮小から日本の貿易構造の変化を意識する海外投資家も多い。円高修正を追い風に日経平均株価は9500円台を回復した。
        米国経済の回復基調への期待感と米欧そして日銀の金融緩和、日本の経常収支の悪化などから円安に振れている。これにより輸出関連企業の業績回復期待から日経平均株価も上昇した。しかしながら、国内では日本経済の回復やデフレ要因の需給ギャップ解消、行財政改革などが抜本的には進んでいないので、日本を取り巻く他国の環境変化に右往左往する為替相場は今後もしばらく続くのだろう。


        • 1票の格差 是正遠く 勧告期限守れず「違法状態」に ・・・各党の利害、定数削減・抜本改革も絡み交錯
        衆院選挙制度改革を巡る与野党協議は22日の幹事長・書記局長会談でも歩み寄りがみられず、衆院選挙区画定審議会(区割り審)設置法が定めた25日の勧告期限を守れないことが確実となった。実務者による協議は続くものの、その間は「違法状態」となる。民主党は1票の格差、定数削減、抜本改革の3つの課題を同時に決着させようとしたが、各党の利害が入り乱れ膠着状態に陥った。
        現政権としては、消費税増税法案を成立させたいがために国会議員の定数削減をセットとし、かつ、1票の是正格差も解消しようとしたが、その目論見が崩れている。そもそも消費税を増税する目的は財政状況の改善のためであり、悪化要因は歳出が増大して歳入(税収)が減少しているからであり、歳出項目の大きなところは社会保障費(年金、保険、医療費)と公務員給与なんだからそれをなんとかしなければならないのだが、その部分の解決への道筋がはっきりしていない。ここを解決しないまま増税だけ決まることになれば景気はさらに冷え込むだろうから、国民生活はさらに窮乏化していくだけだろう。そうなると失業保険給付や生活保護給付が増えて社会保障費はさらに増大し、国内消費も緊縮して税収も思ったようには増えない最悪のスパイラルに突入する。というか、既に突入しつつある。


        • 音楽業界、市場復活期す アップルがクラウド開始・・・ネット配信を強化
        米アップルは22日、クラウド型音楽配信サービス「iTunesイン・ザ・クラウド」のサービスを日本で開始した。日本ではクラウド型の音楽配信における著作権の線引きが曖昧で、音楽業界もインターネットを介した配信に後ろ向き。しかしCD販売とネット配信の市場が同時に縮小する危機的な状況を受け、日本の音楽業界もネット配信に活路を見いだす方向にかじを切り始めた。新サービスで市場縮小に歯止めをかけられるか。注目が集まる。
        世界の音楽配信市場は右肩上がりで成長しているのに対して、日本では逆に2年連続して前年割れ。米国では昨年、CD生産額を音楽配信売上高が上回ったらしいが、日本では著作権の問題などから音楽業界がなかなか踏み込めずに結果として自らの市場縮小を招いている。すでに音楽コンテンツは楽曲をCDに詰めて販売するモデルから、youtubeなどで無料でプロモーション映像を流し、広告収入を得たりグッズ販売での収入を得るといったモデルに変わりつつある。著作権の保護は作詞家・作曲家・歌手にとって大変重要であり、おろそかにしてはいけないとは思うが、過保護すぎて新たなビジネスチャンスをも失うのでは元も子もない。そして音楽市場で成功する若いアーティストが出てこなければ、それを目指す子供たちも減っていき、将来市場を背負う人材も枯渇していく。これは音楽業界に限らず、過去に隆盛を極めたあらゆる業界(たとえばプロ野球など)でも同様の現象が起きている気がする。


        • 男女の賃金格差最小・・・昨年の女性平均、男性の7割に 全体は0.2%増
        厚生労働省が22日発表した賃金構造基本統計調査(全国)によると、2011年のパートを除く一般労働者の平均賃金で、男女間の賃金格差が過去最小となった。医療・福祉分野で活躍する女性の賃金の伸びが後押しし、女性の平均賃金は男性の約7割まで上昇した。全体の賃金も前年比0.2%増の29万6800円で2年連続のプラスとなり、00年代前半からの減少基調がようやく下げ止まってきた。
        グラフを見るかぎり、男性の平均賃金が2001年頃をピークに右肩下がりになっているのに対し、女性の平均賃金は1994年頃から少しずつ上昇するようなカーブとなっているので、賃金格差が縮小しているというよりは男性の平均賃金が大幅に下落しているといった方が正しい。ただ、女性がさまざまな業界に社会進出し、専業主婦から転じて働く層も増えており、女性が管理職ポストに就くケースも過去に比べて増えているだろうから、そういう面が平均賃金を押し上げているのも確かだ。


        • きょう米朝交渉、総書記の死去後初 ウラン濃縮停止焦点に
        米国と北朝鮮は23日、北京で核問題を巡る直接交渉を開く。金正日総書記の死去後初めてとなる米朝交渉は、新指導者となった金正恩(キム・ジョンウン)党中央軍事委副委員長が非核化問題など外交姿勢を初めて示す場となる。特に日米韓が要求するウラン濃縮活動の即時停止など「核放棄に向けた具体的な措置」に応じ、6カ国協議再開につながるかが焦点だ。
        後継の金正恩氏が父親の路線を受け継ぐのか、平和的な姿勢を打ち出すのか注目されるが、国内での影響力を向上させようとするのならば極端な路線変更はしないと思われる。


        • ドライブスルー、カーナビで注文 民間・国交省が実験
        日本マクドナルドなど民間企業26社と国土交通省の財団法人、道路新産業開発機構は22日、高度道路交通システム(ITS)を活用したドライブスルー店舗での新サービスの実証実験を始めると発表した。自動車のカーナビゲーションから事前に注文を登録し、クレジットカードで自動決済する。
        便利にすることはいいことなのかもしれないが、ファーストフード店で事前予約をしたところで、直接注文するのと大して時間は変わらない気がする。そんなところよりも役所での書類発行の事前予約ができてドライブスルーで受け取れるようにしてくれれば、待ち時間が減ってうれしいと思うのだが。
        市役所・区役所などに限らず法務局などの届出機関もそうだし、入出国手続きも電子化されていないから待つことにストレスがたまる。そういうところにインフラ投資してもらったほうが公務員人件費の削減にも役立つし一石二鳥なのだが、公務員の仕事が減るから反対されるだろう。


        • 大王製紙出身役員ら 創業家提案で解任・・・ 関連会社株主総会 2社目
        大王製紙の関連会社で紙おむつなどを製造するダイオーペーパーコンバーティング(愛媛県四国中央市)は22日、臨時株主総会を開き、大株主である創業家側の提案により、大王製紙からの出向者6人を含む取締役7人全員を解任した。同社は大王製紙の井川意高前会長に融資した7社の1つで、創業家側の提案した新しい取締役5人を選任した。大王製紙側は議案に反対した。
        創業家出身の会長が逮捕されて以来お家騒動が続いているが、あまり経営のゴタゴタが続くと本業への影響も必至だろうし、従業員も嫌気がさしてくるだろう。はたから見る限り、これは創業家の度を超えたこれまでの経営関与に対して、現経営陣が元会長のスキャンダルを契機に影響排除しようとしているようにしか見えない。最悪、現経営陣が暴走して同業他社と提携してしまい、創業家の関与する関連会社との関係を断ち切ろうとするような行動に出た場合、将来的にこの会社は消えてなくなるかもしれない。

        2012年2月22日水曜日

        Feb.22 (Wed) .2012

        ◆ 日経拾い読み


        • 春に入学、授業は秋から 一橋大が独自案検討
        東京大学が全面移行を検討している秋入学について、一橋大学が入学時期を春のままにしながら、本格的な授業の開始を秋に移す独自案を検討していることが21日、わかった。入学から秋学期までを「導入学期」、4年次の最後の3カ月を「修了学期」とし、実質的な学部教育は7学期で終える。春入学・春卒業の枠組みのまま、国際標準の秋入学に合わせた授業日程が組める利点がある。
        秋入学のメリットは、海外からの留学生を受け入れやすくなったり、日本人の留学がしやすくなる、そして大学生の質的レベルアップにつなげていきたいということなのだろう。ただ、時期の問題だけでそれを解決すれば日本人の留学生が飛躍的に伸びるのか?本来、現状各大学に存在する制度上の問題点や、日本人学生の質が世界的に見てどういうポジションにあって、それをどう改善していくのか?という点から議論をしていく必要があるのではないかと感じる。

        入学時期が変わるということは、大学の前後に関わっている業界、つまり入学前では高校や予備校での入試対策やカリキュラムの変更が求められ、そして卒業後では企業や官庁などでの採用体制見直しや国家試験実施時期の変更なども迫られる。一部の企業では就職活動時期を流動的、前倒しにするなどの動きは出てきているが、大規模な雇用環境の変化も起きてくる可能性はある。

        景気の低迷もあり、また学生数の増加もあって昨今の大学生の就職内定率は低下している。企業もコスト効率化の観点から人件費抑制、正社員比率抑制を進めていることもあって新卒採用人数を減らすところも多い。しかし、そもそも新卒採用ありきの就職業界自体が今の世の中に合っているのか?以前は終身雇用制度を採用する企業が多かったから、新卒入社で一から教育して一人前にしていき、年齢を重ねるとともにその企業を支える役割にしていくことが一般的なキャリア形成の姿だったのだが、現在では入社から定年退職するまで一つの企業で終える人が減ってきており、企業側としては入社してもいつ転職するかわからないので新卒採用のメリットが薄れてきている。一方、就職する学生側としてもいくら大企業であれ優良企業であれ、いつ経営破綻しないとも限らないというのを過去の多くの倒産事例から見てきているし、昨今の企業は退職金制度を見直したり廃止するところも多いので、定年まで働こうというモチベーションも必然的に下がってきている。

        このような企業と学生の関係変化を捉えつつ、今後の学生に求められる能力、それは働くだけでなく研究分野に進むにしろ必要とされる能力を、大学でどう教えていくのか見直す契機なのかもしれない。それは大学に限らず小中高においてもしかりで、教育制度そのものの見直しを時代から要請されているように感じる。現状、国では足下の経済や社会保障の問題ばかりに目が行っているが、同時に将来国を支える子供たちの教育問題の解決も速やかに実行する必要があると考える。


        • 欧州 南北に亀裂 独は支援疲れ、追加措置困難
        難航していたギリシャ向け第2次支援策がようやく固まった。ユーロ危機の震源地であるギリシャの無秩序なデフォルト(債務不履行)を当面回避するメドは立った。だがこれはユーロ安定への多くのハードルを1つ越えたにすぎない。イタリア、スペインなど域内の大国への波及を防ぐ防波堤の構築や中長期の財政連携・成長戦略など難問はまだいくつもある。
        EUのなかで決して大きくはない財政規模のギリシャへの対応で欧州内では混乱を続けているようにみえるが、実はイタリア、スペイン、ポルトガルなど第二、第三のギリシャ候補が財政破綻するリスクを抱えており、それらが仮に破綻するとギリシャの比ではなくなる。現状はドイツやフランスが主導してEUの経済混乱を抑えようとしているが、EU各国がEU全体を考える余裕が無くなって内国主義に転換してしまうと経済の混乱だけでは済まなくなってくる。


        • 「65歳以上=高齢者」見直しへ ・・・「支える側になって」政府提起 現役世代の負担軽減
        政府は65歳以上を一律に「高齢者」と位置づける現行の定義の見直しに着手する。5月をめどにまとめる「高齢社会対策大綱」で、高齢者も可能な限り「支える側」に回る考え方を打ち出す。元気に働くシニアも多く、すべて「弱者」と見なす仕組みでは、現役世代の負担増大に歯止めがかからないためだ。
        2010年時点での平均寿命は男性で79.64歳、女性は86.39歳。65歳からの残り寿命を考えると高齢者の閾値を引き上げるのは理解できなくはない。しかし、定義の変更だけでなく雇用もしかりだが医療費負担などの社会保障のあり方や高齢者層に対する支援についても見直す必要がある。そういう意味では冒頭の教育制度の改革もしかり、今の日本のあらゆる仕組みを見直す時期に来ているわけで、それを進めるのは政治家の役割であり、そのことを政治テーマとして掲げて活動している政党・政治集団はどこか?ということである。既存二大政党の民主党・自民党からはこれまでの仕組みを改善する話は出るが、ゼロベースで一から設計し直すまでの改革案は出てこない。第三極が大阪で生まれつつあるが、維新の会だけでなく既存小政党や民主・自民議員のなかからも同様の主義・主張を持つもの同士が集まって政界再編が起きるくらいでないと、この国の制度を抜本的に変えるだけの大きなうねりは出てこないだろう。


        • 発電、ガス頼みに危うさ
        全54基の原子力発電所の停止が近づいている。再稼働がなければ、日本は当面、天然ガスの火力発電所に電源を依存せざるをえない。急激なガス輸入の増加は日本の国富流出につながる。中東情勢の緊迫化など潜在的なリスクも膨らむ。かつてない「ガス依存時代」への備えは十分か。
        原発が止まったから火力依存度を増やさざるをえず、液化天然ガス(LNG)の輸入が急増して貿易赤字に転落した。非常にわかりやすいシナリオだが、そもそも原発の依存度はエネルギー供給全体の1割程度。そして国内の発電設備での電力可能供給量は 1割以上消費量を上回っているので、原発が全停止しても理論的には停電することはない。しかしさまざまな利権が絡んでいるから各電力会社は原発の再稼働を求めている。

        発電コストの低減を考えると、原料単価の低い発電方法を増やすわけだから原発依存度を高める考え方はわからなくはないが、それはあくまで原発が「まったく事故が起きない前提」で語られている。昨年の東日本大震災で発生した福島原発事故はその前提を根底から覆したわけで、日本が地震大国である以上、マグニチュードをいくつに想定しようが地震起因の原発事故が起きる確率はゼロにはできない。つまり理論的には日本全土で同様の地震が発生して全原発が事故を起こした場合、日本のどこにも住めなくなる状況に陥る可能性もゼロではないのだ。

        人間は誰でも一度大きな災難に遭うとしばらくは大丈夫と思ってしまいがちだが、天変地異というのは人間の考える領域外で起こるわけであり、人間にとっては大災害でも地球という天体レベルではたいしたダメージではないわけで、地殻変動による地震やマグマの地表噴出による火山噴火などは今後も起きる。そういう緊急事態が発生したときに人間自身がコントロールできないものは人間自体を、ひいては今の生態系自体を滅ぼすことにつながり、原発はその一つの因子であると思うのである。


        • ライフ、出店ペース2倍 食品スーパーやコンビニに対抗・・・3年で50店、500億円投資
        食品スーパー最大手、ライフコーポレーションは2013年2月期から3年で、新たに50店を開く。従来の2倍の出店ペースで、既存店の改装なども含めて過去最大規模の700億円を投資する。首都圏などの食品市場では、コンビニエンスストアが総菜・生鮮類を強化。食品スーパーの売上高は伸び悩んでいる。ライフは積極投資で、顧客争奪戦に備える。
        ライフがうまくいくかどうかは知らないが、スーパー業界がその品揃えと価格を全面に出してコンビニ業態にぶつけると、コンビニ業界は釣られて値下げをせざるを得ず、これまでフランチャイジーと本部で分けあっていた利益構造が崩されるから、バタバタとつぶれるコンビニが増えるだろう。ただし、スーパー側としてもコンビニよりもはるかに大きな店舗規模でそれを実現するには多大なコスト増が見込まれるので、どこでコスト吸収するかやオペレーションコスト構造を改革する必要はある。また、大手コンビニチェーンはスーパー業態を抱えているところもあるため、ライフのやり方に追従するとグループ内で共食いするハメになる。過去にデパート業界を駆逐したスーパー業界、そしてスーパー業界を駆逐したコンビニ業界、そして今コンビニ業界をどこが駆逐するのか見どころである。


        • 任天堂 ネット通販を打ち切り
        「Wii」を使って動画のダウンロード販売や、食品や衣料品などをネット通販するサービス「Wiiの間」を4月30日で打ち切る。
        テレビにせよ、テレビゲーム機にせよ、リビングPCにせよ、何かとお茶の間で主導権を握ろうとマルチパーパス型の端末サービスを提供したがるが、うまくいっているところを見た試しがない。ゲームは所詮ゲームであり、仮にそれよりも付属サービスのほうが便利だったとするとその瞬間からその端末はゲーム機でなくなってしまうので、根本的にユーザーがそれを求めていない気がする。
        ではスマートフォンはどうなのかというと、これは電話機に付属機能がついたのではなく、パソコンに近い携帯型端末に電話機能がついたというのが正しい。そしてこれが受け入れられているのは、従来ノートパソコンと携帯電話を別々に持たなければならなかったのが、一つに集約できてかつ、携帯利便性も向上したからに過ぎない。しかし通信コスト等の問題が残っていて、いまだに携帯電話とスマホを別々に持つ、あるいは会社用と個人用で携帯電話やスマホを2台持ちしている人も多く、そのような点がサービス改善の余地を残していると感じる。



        • グリー カードの交換機能再開
        ソーシャルゲーム「探検ドリランド」で停止していたカードの交換機能を再開した。不正に複製できる不具合の再発防止や調査にメドが立ったため。
        ゲーム内の仮想通貨で購入できる商品をヤフオクなどでリアルマネーで販売するというのは不正を招きやすい。今回は国内だったからそれほど騒ぎになっていないが、仮に海外だと正規に使用しているユーザーから訴訟を起こされるリスクもある。今後海外展開を目論んでいるグリーとしては、この点を投資家に突っ込まれる可能性がある。また、自社開発している場合は社内の開発者による意図的な不正も考えられるため、社内チェック体制などを見直す必要があると思われる。


        • 取次最大手の日販、本「買い切り」導入へ出版社・書店と協議 ・・・返品制限し生き残り
        出版取次最大手の日本出版販売(日販)は書籍の取引で、書店からの返品を制限する「買い切り制」を導入する方向で大手出版社や書店と協議に入る。現在、書店は売れ残った書籍を原則として自由に返品できるが、取り分(売上総利益)が少ないうえ、返品コストは出版社や取次の収益を圧迫している。市場の縮小が続き、電子書籍の普及も始まっていることから、商習慣を改め業界全体の生き残りにつなげる。
        従来は返本自由な代わりに書店が価格決定できない再販価格維持制度を適用していたが、書店の利益率を高める代わりに返本を制限し、そして書店は値下げなどで在庫処分することをできるように変えるのが趣旨のようだが、これは書店間での値引き競争を生む可能性があると同時に、出版社や取次からの在庫押し付けにより書店の収益を圧迫するリスクも生む。しかしながら電子書籍等の普及に危機感を感じて業界最大手が商習慣を改めようとすることは時すでに遅しの感もあるが、前向きに評価できる。

        2012年2月21日火曜日

        Feb.21 (Tue) .2012

        ◆ 日経拾い読み


        • 光市母子殺害 元少年の死刑確定へ 当時18歳、最高裁が上告棄却
        山口県光市の母子殺害事件で殺人や強姦致死などの罪に問われ、差し戻し控訴審で死刑判決を受けた犯行時18歳の元少年(30)の上告審判決で、最高裁第1小法廷(金築誠志裁判長)は20日、「刑事責任はあまりに重大で、死刑を是認せざるを得ない」として被告側上告を棄却した。事件から約13年を経て、差し戻し審を含め5回目となる判決で死刑が確定する。
        最終的に刑が確定するまで13年間。原告の本村さんとしてはとても長く苦しい期間だったことと思う。しかし彼がこれまで訴えてきた司法の問題点については被害者保護の観点で多くの点が改善された。そういう意味では本村さんの果たした役割は大きかったのだろうが、彼自身が犠牲にした妻や子供、そして13年間という長い月日は誰かが救ってくれるわけではない。今回の最高裁の判断でも一裁判官は反対意見を述べたという。裁判官は客観性が求められるのはわかるが、死刑反対論者が我が物顔で主義主張を唱えるのは違和感がある。自分の家族や肉親が同様な被害を受けて命を落としても彼らは平然と同じ主張をするのだろうか?

        2012年2月20日月曜日

        Feb.20 (Mon) .2012

        ◆ 日経拾い読み


        • パートの主婦170万人保険料 ・・・社会保険適用拡大案、厚生年金の受給可能に
        政府が検討中のパートへの社会保険(厚生年金・企業健保)の適用拡大案では、パートで働く主婦の負担と給付が大きく変わる。年収120万円の主婦が夫の扶養家族扱いを抜けて社会保険に入ると、保険料(本人分)はゼロから年16万円に増える。一方で老後は厚生年金を受け取れる。企業は負担増となり、なかでもパートの多い流通業は打撃が大きい。政府は3月の法案提出を目指すが、調整は難航しそうだ。
        これはいくつかの問題をはらんでいるが、まずは徴収される掛け金以上に年金がもらえるわけではないという(つまり本人は現在の手取りが減ってその減った分を後からもらうだけなのでメリットがない)前提で、単純に現状国民年金や共済年金の負担が減り、厚生年金の負担が増えることを意味する。現状の年金制度は賦課方式(年金を支払う世代が受給する世代を支える構造)であるかぎりは、少子高齢化の進む現在では成り立たないことは明らかで、仕組みそのものを変えない限り破綻するに決まっている。パートや短期雇用者から年金掛け金を徴収したとしてももともと単価が低いのだから効果は薄いし、同額企業が負担するわけだからこれを嫌う企業はパートの削減に走らないとも限らず、そうなるとさらなる景気の鈍化が進むだけである。

        2012年2月19日日曜日

        Feb.19 (Sun) .2012

        ◆ 日経拾い読み


        • 天皇陛下の手術、無事終了 心臓バイパス「2週間程度で退院」
        18日午前から東大病院(東京・文京)で行われた天皇陛下の心臓の冠動脈のバイパス手術は同日午後、無事終了した。同日夜に病院内で記者会見した医師団は「手術は予定通り終了し、手術後も順調」と発表。順調にいけば2週間程度で退院できるとの見通しを示した。
        執刀医は順天堂大の天野教授だったようだが、東大病院としては煮え湯を飲まされていたような顔をしていたのが気持ちを表していた。手術内容としては、冠動脈の血流改善のために左右の内胸動脈2本を冠動脈にバイパスするものらしい。なお手術中に不整脈が発生したらしいが、そうなると血液中に血液凝固から血栓が発生し、その塊が脳に行くと脳梗塞を引き起こす可能性もあるため、血栓のたまりやすい左心耳を縫合する処置を施したようだ。天皇陛下には早く回復して公務復帰してもらいたい声もあるが、ご年齢からくる身体の衰えもあるだろうから、これを機に今後のご公務についてはご負担を減らすべきだと思うし、そのような動きが出てくるだろうと思う。