2012年2月14日火曜日

Feb.14 (Tue) .2012

◆ 日経拾い読み


  • 東電と国、最終攻防 資本注入に5条件・・・経産相、議決権「3分の2」視野 社長「民営望ましい」
東京電力の公的管理に向けた最終攻防が始まった。枝野幸男経済産業相は13日、1兆円の公的資金を資本注入する前提として、国が3分の2以上の議決権を得ることを視野に東電の経営権を掌握することや、経営責任の明確化など大きく5つの条件を示した。一方、東電は経営権を巡る結論を留保し、政府内にも異論が残る。世論の動向もにらんだ神経戦が続く。
経営主導権を政府が持つのか現経営陣に持たせるのかでモメている。以前にも触れたが、公的資金を注入するのならさっさと国有化したほうがよい。東電の原発問題に対する補償範囲については、東電自身の責任に帰するものもあれば、東電ではどうしようもなかったものもある。その線引きを東電自身ができるわけないしやらせるとろくなことにならない。まずは国有化して東電の今後の姿をまず描き、資産圧縮やコスト効率化などで賠償金原資を確保しつつ、埋まらない部分を公的負担でカバーできるよう法律を制定し、その後民営化、再上場するスキームを走らせて、そこまで見届けて国はイグジットする。国がここまで関わるのだからついでに他の電力会社の改革も一緒にやってしまえばよい。ポイントは民間人経営者をきちんと揃えることと、役人を経営に関与させないこと、そして現東電会長と社長は退任させることだろう。今の社長の西岡氏は勝俣会長の懐刀といわれており、実質的に社長の発言は会長の意思を社長が述べているにすぎないからだ。現在の消費増税反対意見と同様、国が見直すべき点をそうせずに増税するのは反対が起きているように、東電も自身の経営改革やコスト削減努力をせずに値上げに走ることは世論の大きな反発を受けるだけである。


  • 維新の会、TPP・消費増税に前向き 衆院選公約案、首相公選制など実現に壁
橋下徹大阪市長が代表を務める地域政党「大阪維新の会」は13日、次期衆院選に向けた政策集原案をまとめた。国政選で争点となる環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加などを掲げ、経済と外交で現実路線を鮮明にした。一方で首相公選制導入など憲法改正を伴い、実現にはハードルの高い課題も盛り込んだ。


「維新八策」原案

(1)統治機構改革
・ 地域の実情にあった都市制度の創設
・ 道州制の導入、地方交付税廃止

(2)行財政改革
・ 国会議員定数と歳費を削減

(3)公務員制度改革
・ 職員基本条例案の法制化

(4)教育改革
・ 教育委員会を諮問機関に位置付け選択制に

(5)社会保障制度
・ 年金は積み立てと掛け捨ての併用を検討
・ 最低限の生活を保障するベーシックインカム導入

(6)経済・税制
・ TPP交渉に参加
・ 法人税率と所得税率の引き下げ、資産課税の強化

(7)外交防衛
・ 日米同盟を基軸に日米豪の関係強化、沖縄の負担軽減

(8)憲法
・ 憲法改正に必要な衆参両院の賛同を2/3から1/2に

詳細はこれから煮詰め、2月下旬に正式に発表するようだが、パッと見て感じるのはここまでの内容を本当にできたら日本は大きく変わるだろうな、ということである。大きな柱としては、国と地方の関係を見直してカネの流れも見直す、国家運営システムとしての首相選択や議会のあり方を見直す、税制や年金制度などの所得再分配のあり方を見直す、そしてこれらのシステムを変更するための憲法改正要件の緩和ということだろう。

よく橋下市長が口にしている、「決定できない民主主義」をもっとも体現しているのは日本の首相である。内閣総理大臣は行政府のトップでありながら、あらゆることは閣議決定が必要で議会の承認も必要なので、アメリカの大統領のような強大な権限を持てない。それはトップが暴走することを防ぐブレーキ役としては機能するが、多くはスピード感を失いやすくトップダウンの指示ができない原因でもある。だからこそ、逆に総理大臣の責任が軽んじられ、派閥からの持ち回りで総理に就任したり、軽率な判断・発言をしても内閣や与党、議会でフォローされて成り立つようなもたれ合いの構造を育んできた。衆参両院制度についても現状では形骸化している点は否めず、今のような与野党のねじれ現象を生んだ際は何一つ重要な法案が決められないという問題点をはらんでいる。

そのような国家運営システムを維新の会が変革するためにはまずは国会議員を相当数送り込む必要がある。大阪市長に就任したばかりの橋本氏は立候補しないと言っているが、それは仮に立候補すると「足下の大阪市すら実績も出さずにほったらかして国政に進出するのか」という意見を封じ込めるためと、「国を変えるのなら維新の会のトップである橋本氏が衆院選に出馬しないのはおかしい」という意見を生むためでもある。おそらくはその意見のバランスで今後の橋本氏の動向が決まってくるのだろうが、既存の国会議員も牽制したり維新の会人気にあやかろうとするのではなく、真の意味で日本をどうしていくのか、どうしていくべきかという視点での考えをぶつけていくとか行動に示していくべきであろう。単に橋本氏の動向に左右されているだけの国会議員はそれこそ税金の無駄遣いであり、議員定数も減らされて当たり前だと思う。


  • パートへ社会保険適用拡大 企業負担最大5400億円増・・・厚生年金・健保、370万人加入で試算 厚労省
厚生労働省は13日、パート労働者に社会保険を適用した場合の企業負担を試算した。370万人のパートが厚生年金・企業健保に新たに加入すると、5400億円の企業負担が発生する。このため、厚労省は加入対象者を段階的に増やす激変緩和措置をとる。ただ、パートが多い流通業や経営が厳しい中小企業は負担増に反発しており、調整の難航は必至だ。

企業が負担に反発するのは当たり前で、これは何を意味しているかというと国民健康保険の財政難からくる原資不足をパートと企業に対して負担をつけ回しているだけなのだ。パートはこれまで国保だったものが社保となって個人負担が減って嬉しいかもしれないが、実はその負担減以上に保険料を会社を通じて国に納めることになり、可処分所得が減る。企業はこれまで正社員と長期雇用あるいは長時間勤務するパートに対して支払っていた社会保険料に加えて、短時間のパートも対象になるので人件費が増大する。そのようなパートは外食産業やスーパーなどで多く働いているので、そういった企業の経営者は反対をしている。

民間企業では従業員給与や賞与以外に社会保険料、雇用保険料(失業手当の原資)、介護保険料や厚生年金の一部、退職積立金などを負担しており、一般的にはその額は従業員個人に支払っている給与の2/3から同額となっている。つまり月給30万円の社員の人件費は、会社から見れば45~60万円の負担として計算している。これまでは終身雇用制度が中心だったから会社としても生涯従業員の面倒を見るのならばそれなりの負担は雇用コストとして応じられるものだったが、現在では雇用は流動化しているうえに保険料負担率のアップは国の財政難のしわ寄せを押し付けられているのでたまったものではないだろう。

そもそも各企業の人事や総務に業務として存在する年末調整だとか源泉徴収票の発行などは個人にさせてもよいもので、自営業者や一定の年収以上の人たちは個人で税務申告を行なっているしアメリカではすべて個人が行なっている。国や自治体が個人とすべき業務を会社にさせている、このような業務を全体で見直すだけで民間企業の人件費は大幅に改善すると思う。


  • 家電量販、スマホに軸足・・・大手5社、4~12月経常減益で転換 TV失速、改装急ぐ
家電量販店大手の2011年4~12月期決算が13日出そろった。家電エコポイント制度と地上デジタル放送への完全移行(東北3県を除く)という、薄型テレビの販売をけん引してきた2つの特需がなくなり、昨年8月以降、テレビの売り上げが急減速。家電量販店大手5社の経常利益はそろって前年同期に比べ1~4割の減益になった。各社は大幅改装でスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)売り場を増やすなど、テレビ不況への対応を急ぐ。

「テレビ不況」とあるが、そもそもエコポイントによりテレビ売上が急伸したことが異常であり、通常に戻ったというほうが正しいだろう。家電量販各社はテレビ売場を縮小してスマホ売場を広げているらしいが、テレビとスマホでは商品容積とラインナップ数の違いから確実に必要売場面積が減るはずなので、売場のアコーデオンでは吸収できないだろう。また、スマホは家電商品ではなく電話機の扱いなので交渉は家電メーカーではなく通信キャリア各社との交渉となる。ここでは家電量販業界以外に携帯電話販売会社もいるので、家電量販各社の言い分が100%通るわけではないだろうから、今後家電量販業界での業績の差がこれまで以上にはっきりとしてきて、新たな合従連衡を生む可能性がある。

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