2012年2月9日木曜日

Feb.09 (Thu) .2012

◆日経朝刊拾い読み


  • 米軍 中国にらみ再編、「普天間移設待てぬ」
日米両政府は8日夜、在日米軍再編計画の見直しに関する新方針を発表した。一体になっていた米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の移設と沖縄の米海兵隊のグアム移転を切り離し、先行して海兵隊をグアムに移す。中国の台頭をにらみ米軍のアジア太平洋体制の強化を急ぐ。日本にとっては米側との戦略の擦り合わせが、さらに重要になる。

日米の共同発表のポイントとしては、

・普天間の代替施設としては、辺野古を唯一の案として堅持する
・米海兵隊のグアム移転に伴い既存の米軍施設・区域の返還を普天間とは切り離して先行
・在日米軍再編計画の見直しは数ヶ月以内に結論を出す

辺野古については、政府が提出した環境影響評価書にたいして沖縄県の審査会は「評価書で示された対策では周辺地域の生活環境、自然環境の保全は不可能」という結論を出し、事実上辺野古移設案を断念させる内容となっている。となると、沖縄としては普天間固定を避けるためには米軍基地の県外移転を強く主張していくこととなるであろう。しかし、県外といっても国内の既存米軍基地への分散についてはそれぞれの住民が拒否感を示すだろうから、政府としても大きな難題を抱え続けることになる(ま、すべては鳩山首相の言動が蒔いた種だが)。

8日の玄葉外相の記者会見で、「切り離しは沖縄の仲井真知事をはじめ地元から繰り返し要望を受けたものだ」と述べたそうだが、仲井真知事は普天間を固定化してでも切り離せと言ったのではなく、あくまで米軍基地の県外移転を早く進めてほしいということの一環で言ったのではないかと思われる。

次に米軍の再編に伴う費用負担が国会でも問題視されるだろうが、日本の判断が遅れたことによってグアム移転が計画通り進んでいないことを理由に米側としては日本により多くの負担を求めてくるものと思われる。内容としては、グアム移転にかかる費用以外に別の拠点への分散にかかる費用や、普天間の維持費などとのことだが、米国も防衛予算削減の中でさまざまな要求をしてくることが予想されているとはいえ、日本も財政難、国内では国民に多くの負担を掛けようとしている時期に押し切られてしまうことのないようにわずかではあるが希望を持ちたい。

そして米軍がグアムをハブとして沖縄からアジア各地に分散していくことについては、米国が日本をベースに中国・北朝鮮・ロシアを臨んでいた時代から、アジア全体を俯瞰して焦点は中国に合わせるという戦略に切り替わっていくことを意味していると思うが、そうなると日本単独での防衛力はこれまでより弱まることは間違いない。そこで独自の防衛力をどのようにして高めていくか、表面上は米軍への協力支援という言葉で語られるであろうが、自衛隊の機能を強化していくことも求められる。

アメリカは大統領選も控えており、今後の動きは流動的になる可能性もあるが、それはそれとして国内の足場がため(沖縄)や防衛大綱の見直しなどを進めておく必要がある。防衛大臣がコーヒー大臣だからそれもまた不安ではあるが。


  • システムLSI正念場・・・ルネサス・富士通・パナソニック半導体統合交渉
ルネサスエレクトロニクスと富士通、パナソニックの3社が半導体のシステムLSI(大規模集積回路)を事業統合する方向で協議に入った。システムLSIは自動車や携帯電話など様々なハイテク製品の技術革新のけん引役。事業統合で強いLSIメーカーが誕生すれば、日本製造業の競争力の底上げにつながる。

ルネサスはもともとNECと日立製作所、三菱電機がそれぞれ分社化していた半導体子会社を統合してできた会社だ。だから今回の統合がなされれば日の丸半導体会社になるということかも。

  • 初の日米事前協議、TPP着地点見えず・・・米が市場開放圧力、国内には根強い反対論 難航なら参加遅れ
日米両政府は7日、日本の環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加に向け、ワシントンで初の事前協議を開いた。米政府は日本の参加に反対する自動車業界などの意見を紹介する形で、日本の市場開放を暗に求めた。ただ日本国内ではTPP反対論が根強く、与党内の合意形成が難航する可能性もある。日本政府は国内外で苦しい対応を迫られる。

TPPは原則的に関税を撤廃する貿易自由化協定であるから、当然分野ごとにメリット・デメリットがあり、特にデメリット(不利)が大きな分野において反対論が根強くある。経済的にも参加することで対GDP比では効果が薄いとする説や、農業等の分野では大きな損失が見込まれるなどの意見もある。医療分野においては国民皆保険制度が崩壊するリスクを業界団体が指摘している。

確かに国際競争力の無い、あるいは必要としてこなかった分野ではTPP参加によって参加国内での競争に晒されるわけで、脅威となるであろう。これまで国に関税で保護されていたから成り立っているものも崩壊する恐れはある。しかし、裏をかえせばこれまで手厚い擁護を受けてようやく成り立っていたものについては、本当にその継続必要性はあるのか?ということだ。また、保護を盾にしてこれまで国際競争力の向上に本腰を入れてこなかった業界団体(JAなど)もある。そういった負の存在に対して改革を促す役割をTPPが担う可能性はあると考える。反対意見には、外圧によって改革を迫るのはお門違いという意見もあるが、内圧では改革できなかったわけだから自業自得、断末魔の叫びといえなくもない。

TPP参加については現在、原則としては全品目において自由化を前提として検討テーブルに載せ、各条件を煮詰めていく作業に入っているわけだが、まずは日本側の主張をきちんと伝えて取りまとめた結果について国内で議論をすればいいのではないかと思う。一度交渉に参加したらもう取り消すことはできず、どのような条件でも呑まされるような意見があるが、それはあくまで外交であるからイヤだったらテーブルをひっくり返して退席、離脱すればいいのだ。それができないのなら交渉という名の喧嘩に勝つことはできない。

  • ネット決済代行参入・・・OKI子会社事業を取得、銀聯とも提携
みずほ銀行は今夏にも、電子商取引に使うインターネット決済の代行業務に参入する。OKIの子会社から事業を取得し、ネット通販業者に決済システムを提供する。中国カード最大手の銀聯とも提携し、みずほのサービスを利用するネット通販業者が中国の個人客とも電子決済できるようにする見通しだ。

みずほ銀行といえば、ATMのシステムトラブルで社会問題となった銀行である。ネット決済は銀行の通信方式よりもさらに脆弱なネット環境で電子決済をする仕組みなので、当然通信エラーを前提とした設計となるが、他社から事業を買い受けてなんとかなるほど簡単なものではないのだが、自社のシステムもきちんと運用できてない銀行がうまくやれるかどうかが見ものである。


  • ギリシャ与党、緊縮策巡り最終調整・・・次期支援へ合意探る
ギリシャのパパデモス首相は8日午後(日本時間9日未明)、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)が同国向け支援の見返りとして求める緊縮策の受け入れを巡って連立与党の3党首と最終調整に入った。首相側は既に緊縮策の素案を3党首に提示、各党が検討していた。連立与党の同意が得られれば、ギリシャは国際社会から次期支援を受ける条件の一つが整い、危機回避へ一歩前進する。

ギリシャ国民は猛反対しているが、国としては受けざるを得ないだろう。昨日の為替が円安・ユーロ高に振れてることからも、ギリシャデフォルト危機は回避される可能性が高いと見る動きが強いのだと思う。EU諸国においてはポルトガルやイタリアもギリシャの二の舞になるのではないかと不安視されているが、シリアの内紛もそうだがあの一帯はしばらく緊張状態が続くのだろう。


  • 韓国のサムスン・LG、テレビ増産攻勢 新製品投入し価格下落回避
韓国のサムスン電子とLG電子の2012年の薄型テレビの販売計画が固まり、赤字脱却を優先する日本勢と対照的に事業を拡大させる姿勢が鮮明になった。増産で製造コストを吸収するほか、目玉と位置付ける有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)テレビを年内に投入。主力製品の入れ替えを急ぎ、価格下落を抑える戦略が浮き彫りになっている。


世界のテレビ販売シェア(11年1~9月、米DisplaySearch調べ)

1. サムスン電子  18.9%
2. LG電子     13.3%
3. ソニー      9.5%
4. パナソニック     8.4%
5. 東芝      6.9%
6. シャープ      6.8%
7. TCL集団     4.4%

国別に見ると、韓国が32.2%、日本が31.6%、中国が8.6%。テレビ事業においても携帯電話同様に韓国勢に引き離されているが、国内家電メーカーはいい加減横並びの事業展開を改めて国際的に戦える体制を作っていかないとさらにサムスン電子との差は広がる一方だろう。


  • 「食べログ」に予約機能 カカクコム、まず200店舗で
比較サイト運営のカカクコムは9日、グルメサイト「食べログ」と連携した飲食店予約サービスを開始する。食べログに掲載している一部飲食店をオンライン上で24時間予約できるようにする。


こういう売上につながるような施策はさらにステマ(ステルスマーケティング)を助長するような気がする。


  • ランキング ツイッターフォロワー数(国内政治家)
1. 鳩山由紀夫  608179
2. 橋下徹    571968
3. 東国原英夫  465953
4. 蓮舫     349332
5. 原口一博   252941
6. 猪瀬直樹   203378
7. 河野太郎   191310
8. 谷垣禎一   160364
9. 小池百合子  136550
10 舛添要一     126259

元首相とはいえ、鳩山氏がトップなことに驚いた。橋下市長はツイッター愛用者で有名。ふと気になって若手政治家の小泉進次郎氏を見ると、2124。しかもツイートは0である。こういうツールを使うのはあまり好きではないらしい。ツイッターは使ってみるとわかるが、コミュニケーションツールではなくつぶやき、つまり一方通行の言いっ放しツールであり、あれでフォロワーが数千、数万となるとリツイートされた内容を追っ掛けることは物理的に不可能である。暇な時に話し相手が欲しくてなにかつぶやくのならいいのかもしれないが、政治家は言質を取られやすい職業でもあり、うっかり何か約束したり漏らしたりすることのないよう「やらない」と決めている小泉氏のような考え方も共感できる。

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