2012年2月5日日曜日

Feb.05 (Sun) .2012

◆ 日経拾い読み(目についた記事を勝手に論評)


  • 米、「軽廃止」取り下げ・・・日米、7日TPP事前協議
日本の環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加で焦点となっている自動車の市場開放を巡り、米の自動車大手が日本独自の軽自動車規格の撤廃要請を取り下げたことが明らかになった。

交渉というものはたいてい相手の要求レベルと自分の要求レベルを把握し、そのギャップの範囲内に収めることを目的としてまずは高い要求からしていくものなので、これはかわされることを想定したジャブのようなものであろう。米の譲れないポイントは何か、日米のギャップはどの分野にどの程度の隔たりがあるかを早期に発見し取りまとめるとともに、優先テーマを定めて国内での議論を巻き起こすのが重要で、ほんらいそれはマスコミの役目だ。大手新聞社がこぞってこれらの特集を組んで各社政治・経済部の記者が見解を述べるだとか共同で討論会をするなどして国民の目を惹きつけようとしないと、なかなかこういった話題には国民の関心は集まらないような気がするが、日本のマスコミはこれまでこういう議題こそ避けてきたのも事実である。


  • 普天間 政権また難題・・・グアム移転と分離、固定化懸念
日米両政府が在沖縄海兵隊約8000人のうち約4700人をグアムに先行移転することで大筋合意し、13日にも移転計画の見直しに関して両政府が同時発表する方向だ。

沖縄海兵隊の基地返還については、(1)沖縄からの全面撤退(県外、国外移転)、(2)一部撤退または縮小(辺野古移転)、(3)現状維持、という方向性があり、米側のニーズとしては財政難による防衛費の縮小により在外米軍の再配置が求められているとともに、昨今の兵器の進歩により航続距離や到達距離が伸びたためより遠方から同等の防衛力をキープできるようになったことから、沖縄基地の一部縮小とより本国に近い拠点への移転について日米間で長年議論されてきた普天間基地からの移転(2のプラン)で合意したところから進んでいたところ、政権が自民党から民主党に交代したことからおかしくなってしまった。当時の鳩山首相は移転先の担保もなく(1)のプランを口にしたことから(1)の支持派が舞い上がり、沖縄としては普天間からの撤退をさせるためには(2)でやむなしとまとまっていた層までも期待をさせることになり、辺野古を持つ名護市の市長選で(1)の支持派で(2)の反対派である市長が当選してしまった。しかしその後首相の考えを突き詰めると(1)のプランは何も実現可能性を持たないまま発言していたことが明らかとなり、沖縄の選択肢は(1)、(2)双方を失う結果となってしまったのである。

今回、米側としては民主党政権で何も進展しない沖縄問題に業を煮やし、まずは一部の兵力をグアムに移転させることから進めることを決めたわけだが、米国としては(3)の延長上で一部の兵力を移転するわけで、沖縄の悲願である普天間基地の撤退はより困難になった可能性がある。(2)の支持派も自分のところに基地を移されるのは反対だから普天間固定化に賛成に回るだろうから、沖縄県民が本当に希望するシナリオにはならないかもしれず、つくづく正しい国家観を持たない政権与党に国家運営を任せたことは間違いだったことがここでもはっきりとしている。


  • 首相、消費税10%超言及・・・一体改革「私の政権で結論」
野田首相は4日、慶応大学で講演し、消費増税を含む社会保障と税の一体改革について「私の政権の時に結論を出したい」と述べ、今国会での関連法案成立に意欲を示した。

持論を展開するのは構わないが、学生にこういうこと話しててもしょうがないのでは。まずは自民・公明あたりに直接出向いて納得させる努力をするのならまだしも。


  • スマホシフトにドコモの誤算・・・相次ぐ通信障害 半年で6度
NTTドコモで通信障害が相次ぎ、半年間で通話やメールができなくなる障害が6度発生した。

ここでは、3つの要因に絞り込んで検証しているが、(1)甘いインフラ想定、(2)ネット技術者不足、(3)iモードが足かせとなっている。スマホでは従来型の携帯電話に比べて6倍の制御信号を処理する(IPプロトコルのことを言ってるのだろう)らしく、データ量を見誤った、それに対応できるだけのインフラを整えられなかったということになっている。これはNTTグループ全体で考えるとネット事業者であるNTTコミュニケーションなどではプロバイダ事業もやっているわけで、(1)と(2)については甚だ疑問ではあるがグループ内子会社間の仲が悪いのならあり得なくもない。単純に考えればグループ間でリソースを融通すればいいだけのように思うが。(3)については、もともとインターネットで利用されていた機能を従来型携帯で使えるように開発されたのがiモードなのだから、割りきって一部のサービス継承は切り捨てるなどすればいいと思うが、iモード担当部署としてはなんとかして多くの機能を使えるようにしようとして結果的にシステムが複雑化してしまい、障害発生確率が上がっていったのだろう。

結局はドコモのスマホ契約件数が1000万台と他社の2倍近く普及しているから、想定以上のトラフックが発生したのでは?と最後にまとめてあるが、これが答えのような気がする。ドコモを利用するユーザーは「ドコモだったら安心」という潜在意識で利用している人が多いと思うが、ドコモの設備で今回のような障害が起きるということはすなわち他社のインフラもドコモ並みにスマホ利用者数が増えていくと同じ問題が起きる可能性が高い。日本の企業というのは、こういうときに他社を嘲笑って自社のサービスを薦めて数字を伸ばそうとする向きがあり、結局同じ問題を引き起こして一体何を見てたのやらという、これまた横並び好きな企業が多いが、今回のドコモを他山の石としてインフラ増強のための投資を前倒しで実施していくことが肝要である。

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